「歯並びが悪い」とは

見た目にキレイに歯が並んでいないことを「歯並びが悪い」と一概に申しますが、歯並びが悪くなってしまった原因にもいくつか種類があります。
1.歯とアゴの大きさのアンバランス

ほんらい歯はアゴにキレイに並んで収まるように生えます。
もし12本しか歯が並ばないアゴのスペースに14本の歯が生えてきたとすると、行き場のない2本の歯は正しい位置には並べず、前後に重なるなどして生えることになります。
歯の大きさには個人差がありますが、その方なりの歯の大きさに対するアゴ骨の成長があれば、ほんらい歯はきちんと収まるはずなのです。そのバランスが崩れると歯は本来の位置に並ばなくなり、歯並びが悪くなります。
2.舌や唇などの悪習慣による外力の影響

歯というものはとても軽い力で動きます。
毎日指で押していれば本当に歯は動いてしまうのです。(だから矯正治療が可能なのです)
このようなことから、いくら歯とアゴの大きさのバランスが正常であっても、悪習慣などを正さなくては歯並びは悪くなってしまいます。
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前歯で舌をかむ癖です。 叱るほど悪い癖とは思いませんでしたが… 結果、前歯が閉じなくなってしまいました。 |
下アゴを押しつけて本を読むお子さん、 悪くなるのは姿勢だけでなく… 結果、下アゴが後退してしまいました。 |
3.上下のアゴがずれている
歯が正しく咬み合い、よく咀嚼(そしゃく=咬むこと)することでアゴ骨は成長します。
もし上と下のアゴがずれているとアゴ骨が充分に成長せず、歯とアゴのバランスが悪くなり、歯並びも悪くなる場合があります。
また、歯は咬み合うようにできていますので、アゴがずれて咬み合う歯がなければ歯は長く伸びやすくなります。
これは、正しい位置に生えずに咬み合う歯がなくなった八重歯が長く伸びてしまうことと同じ現象です。
よく「出っ歯」や「受け口」といわれる状態は下図のように判定します。
第一大臼歯(緑色の部分)の前後関係で上・下のアゴのずれを判定します。
下アゴの第一臼歯が上アゴの第一臼歯より少し前に位置する状態が正しい咬み合わせです。
鈴木 設矢氏著「抜かない歯医者さんの矯正の話」より